競馬界にはしばしばアイドルホースなどが誕生します。近年で言えばキタサンブラックがアイドルホースとなり、競馬を知らない人でも名前を知る馬となりました。知名度だけでいえばそこまではいかないもののアーモンドアイも同様に、競馬ファン以外にも名前を知られている馬です。通常そういった馬は芝やダートの平地競走を走る馬であることが多いのですが、オジュウチョウサンの活躍によって障害界にも注目が集まるようになりました。

オジュウチョウサンといえば、2016年の4月16日に初めてのJ.GIを制し、その後も6回も制しています。(2020年の中山グランドジャンプ開催前時点)内訳は、中山グランドジャンプ=4回・中山大障害=2回です。

今年の中山グランドジャンプはオジュウチョウサンが単勝1.1倍の圧倒的人気でした。前走の阪神スプリングジャンプは久しぶりの障害レースということもあり1.7倍でしたが、結果的に圧勝したので高い人気を再び獲得しました。

2番人気は昨年末の中山大障害で念願のJ.GIを勝利したシングンマイケルで、3番人気は前走のペガサスジャンプSを圧勝し、昨年の中山大障害で3着のメイショウダッサイ。その他にもブライトクォーツ、シンキングダンサーといった馬たちが出走しました。レースは雨が降りしきる不良馬場の中で行われ、通常であっても厳しい条件ですが、こういった天候なのでより馬への負担も大きかったと思います。

レースがスタートすると、コスモロブロイが少し出遅れてしまいます。まず先頭に立ったのはメドウラークで、それに続いて人気のオジュウチョウサン、そしてメイショウダッサイも前目につけます。やはり馬場状態も考慮した上での判断だったのかもしれませんね。

タフなコースを進む中で、セガールフォンテンが競走を中止し、逃げていたメドウラークも競走を中止します。人気のオジュウチョウサンは順調にレースを進め、最後の直線に向く前の段階ですでに先頭に立っています。最終コーナーをカーブして最後の直線に入ってもまだまだリードは大きく余裕が見られます。そして最後の障害を飛越しスパート。メイショウダッサイも追いすがりますが、結局3馬身差の2着で、3着には2着から大差のブライトクォーツ。

最後の障害でシングンマイケルがかなりひどい落馬事故。画面を見つめていた競馬ファンは恐らく騒然としたことでしょう。残念ながら予後不良となってしまい暴露王も残念な気持ちでいっぱいですが、彼が残してくれたものは非常に大きなものばかりです。

勝利したオジュウチョウサンはこれでJ.GI7勝目。国内敵なしといった状況なので、現役を続ければこの素晴らしい記録も塗り替えられると思います。

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